音羽は心底笑った。きっと本当なんだろう。目元を朱に染めて、音羽に嫌われないように必死に言い訳するあっくんはとてもかわいかった。
毎日涙ぐんでしょんぼりしていたほわほわ頭のひよこは、今は立派に成長して一人前のモデルとして活躍していた。音羽の背中にしがみついて、涙を我慢していたみにくいあひるの子はもういない。薄く筋肉の乗った細い肢体は、限りなく妖艶で滑らかにしっとりとした肌のせいか、性を感じさせない不思議な生き物のようにさえ見える。
時間の許す限り……と言っても、ほんの数時間しかなかったのだが、音羽とあっくんは忙しなく愛し合った。
指を絡め、愛撫を受けながら長く深く口腔を蹂躙する口づけに、あっくんは「あふっ、音羽……気持ちいい……」と何度もつぶやく。
唾液のこぼれた胸に指を這わせ、脇をくすぐり下肢を探ると、ほんの少し芯を持って勃ちあがった来たあっくんの持ち物が揺れた。そっと握り締めると、声にが混じってくる。
「んっ……。」
「あはは……あっくん。やっぱりありえないぱんつ、穿いてるのか。」
「だって……音羽が最初に笑ってくれたから……。それに、今はこのぱんつで良かったって思っているでしょう?」
「思う。脱がせる手間が省けた……。今は、このデザインが優れものだってわかる。個人的に優秀デザイン賞を授けたいくらいだ。面倒な工程が省けたね。」
シングルの狭い寝台に重なって、音羽はあっくんの下肢を眺めた。ありえないデザインのぱんつから覗く露を戴いた鈴口の先端を吸い上げる。同性同士、感じろを外すはずはなかった。つんと固く尖りきった胸を、きつく摘み上げた。
脂肪の弾力の無い、物足りなさが却って音羽の気持ちを煽る。
いつからだろう、恋愛の対象が女性で無いと気付いたのは……。
この子に出会うために、生まれてきたのだと思った。
「あぅ……、お、音羽……そこは、や……。」
やわやわと双球を揉みあげながら、咥えたまま舌を絡めて刺激すると、音羽の下のあっくんが小さくかぶりを振って、シーツに涙が散った。たった一度だけ音羽を受け止めた後蕾は、あの日と同じように頑なに指の侵入を拒み、あっくんは堪らず小さな悲鳴をあげた。